大分建設新聞

四方山

高齢者対象の現場見学会

2023年10月13日
 現在、全国で盛んに言われている人口減少対策。この人口減少により各産業の担い手不足が喫緊の課題となっている。人口減少は、これまでのあらゆる社会構造を変化させるとともに、一方で新しい産業が発生することで人手を必要としない社会が生まれるのであろうか▼建設業に限っては、高校、大学生はもとより、小中学生を対象とした「建設業の魅力」をアピールする必要があるとして、工事現場の見学会や建設機械の乗車体験など、建設業界が年間を通じて盛んに行っている。担い手確保のため、少しでも若い時から建設業の魅力を伝える必要があるという観点からだ▼建設業界では人手不足を解消する対策で、ほかにもICT建機の導入やドローンを使った点検、また外国人雇用、女性活躍の導入が盛んになっている。男性中心の建設業から女性から見た建設業の在り方は、業界の進歩というべきであろう。建設業が造った施設は男性だけが利用するものではなく、女性も使うのであるから、当然、女性の視点が大いに必要であるべきだ▼施設は、男性、女性、小中学生も利用するのであるが、これから一段と進むであろう少子高齢化により、高齢者の利用はもっと増加すると思われる。ということは、高齢者からの視点にも重点を置いてはどうだろうか。社会において高齢者の視点も当然必要である▼建設業は、担い手不足の観点から若年者対象のアピールが大きい傾向がある。しかし、高齢者を対象とした建設工事などのアピールは皆無である。中には過去の経験者もいるだろうが、一般の高齢者はこれまで工事現場を見学できた人は少ないと思う▼高齢者が工事の現場を直に見る。そして伝える。「高齢者から子どもへ、孫へ」をキャッチフレーズに業界の支援者となってもらえないかな。(勇)
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