大分建設新聞

四方山

禁煙

2023年09月29日
 たばこをやめた経験がおありだろうか。この経験ができるのは喫煙者だけで非喫煙者には禁断症状という「素晴らしい経験」が出来ないのは残念だ。私の場合、日中は異様に眠たくなる、手が震える、イライラするなどの症状が、夜は逆に眠れない、吸いたくて吸いたくて喉をかきむしりたくなり夜中にたばこを買いに走った。一服すると目がクラクラ、額の毛細血管が縮むのが分かった。でも、やめた▼まず、たばこをやめるなどという自分にプレッシャーをかける愚かな宣言はしなかった。いつでも吸えるようにたばこを持ち歩いた。吸いたくなったらあと5分頑張るぞと冷たい水を一口飲んで喉を騙した。3カ月後には禁断症状は無くなっていた。それでも3年間はたばこを吸う夢を見、無性に吸いたくなるフラッシュバックも起こった▼たばこを吸いたくなるのは、たばこに含まれるニコチンが脳に働き掛けて「吸え」と仕向けているためで、決して本人の意思ではない。ニコチンに操られているのだ。これは他の薬物依存と全く同じで非常に常習性が高く、本数を減らすと逆に吸いたい欲望が強くなるためニコチンの呪縛から逃れる方法は禁煙しかないのだ▼たばこを嗜む方には耳の痛い話かもしれないが、先日がん患者専門の看護師さんから聞いた話によると、喫煙者は非喫煙者よりも肺がん死亡率が3倍以上になり、胃がんなどの他の部位の治療をする場合でも肺が弱っていて有効な治療が行えないケースもあるそうだ▼たばこの害は本人だけに終わらない。副流煙に加え、喫煙者が不在でも残留揮発成分(たばこ臭)が家族をはじめ第三者にも、がん、動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、慢性呼吸器疾患、歯周病、肌荒れなどを引き起こす。喫煙者にはぜひ「特権である禁断症状」を楽しんでいただきたい。(筋)
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