大分建設新聞

四方山

小渕優子衆院議員

2023年09月21日
 野党系政治家の秘書ら永田町の住人たちの間ではひところ、憂さを晴らすかのように、頭の上で高々と上げた両手を合わせて「エッフェル塔~」とつぶやくのがはやったという。フランスへの研修旅行中に、観光記念まがいの写真をSNSに投稿して、自民党女性局長の地位を追われた松川るい参院議員のモノマネである▼だが、最近は同じポーズでも「ドリル~」とコールするらしい。確かに、図上で両手をとんがらせたポーズは、ドリルのそれに似てなくはない。もちろん、内閣改造に伴う自民党四役人事で選対委員長に抜擢された小渕優子衆院議員を揶揄してのことである▼小渕氏といえば、父親は首相在任中に急死した小渕恵三氏。初当選時からサラブレッドの呼び声が高かったが、2014年に政治資金の虚偽・不記載問題が発覚し、せっかくつかんだ経済産業相のポストを追われた。捜査の過程で、後援会事務所のパソコンのハードディスクが電気ドリルで破壊されていたことが分かり以降、永田町では「ドリル優子」の異名が定着している▼岸田文雄首相は「選挙の顔として期待している」と語ったが、よりによって公正さが求められる選挙対策のトップに…とも思う。とはいえ、就任会見では時に涙を浮かべながら「決して忘れることのできない傷」と反省の弁を口にした。存命中であれば、父小渕元首相は何と声をかけただろうか▼ギスギスした時代であればこそ、「人柄の小渕」と評された小渕元首相が妙に懐かしい。ユーモアのセンスがあり笑顔が似合った。今思えば、バブル崩壊後の厳しい時代だっただけに、あの庶民性が求められたのかもしれない。一方で、剛の人でもあった。「宿命に生まれ/運命に挑み/使命に燃える」。好んで揮毫した言葉という。愛娘の心を支えているのであろう。(熊)
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