大分建設新聞

四方山

AI

2023年09月08日
 正直なところ、よく分からない。いくら説明されても脳みそが拒否してしまう。AI(人工知能)のことである。生成AIと表現され、人間が今まで創造してきた文章、絵画、映像などを自動生成するAI技術だ▼ただ、その影響が何をもたらしているのかは、今年の7月、米国ハリウッドの俳優組合が決行した大きなストライキで理解できた。急成長している世界的な動画配信会社によって彼ら俳優、脚本家、関係する全てのスタッフの仕事がAIに奪われ、生活できなくなっているという。「向こうのユニオンはすごい。映画の全ては労働組合の許可が必要」と話していたのは、よく海外で映画製作をしていたビートたけしさん。その強いユニオンがAIの侵略に悲鳴をあげている▼日本でもAI技術の一つ、チャットGPTがいとも簡単に人間並みの文章を作り、大学論文やレポートの分野でトラブルめいた論争を起こしている。使いようによっては画期的な生活革命にもなるのだろうが、米国のように今の仕事を奪われるのではないか、など不安な空気が漂っているのも確かだ▼身近な例で言えば、われわれのような取材して記事を書く仕事もAIのターゲットになる気配もある。多くの記事のパターンをAIが憶えれば、たぶんかなりの分野で可能だ。しかし、どうなのだろう。人に会って話を聞く取材という仕事をAIができるのだろうか。相手の心の内、ホンネを聞き出す行為は理論理屈では絶対に無理だと思うが、それでもAIはなんらかの方法でクリアしてくるのか▼ナチスドイツの超難解な暗号を解読したコンピューター黎明期の天才アラン・チューリングなら「できるよ」といとも簡単に言うかもしれない。人間とは不可解そのものと信じている当方にとって、まことに生きにくい時代になった。(石仏)
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