大分建設新聞

四方山

第4の通勤ルート

2023年09月01日
 自宅はマイカーなしでは不便な立地。両親を病院に連れて行くのにも免許が必要と、都会から帰郷した59歳で自動車教習所へ。ちょうど1カ月でAT限定の普通自動車免許を取得した。すると、折よく親戚からクルマを譲ってもらえることに。ただし走行距離約9万㌔の年代物である▼当初は車庫入れで苦労したが、少々の傷は気にならないのがよい。病院や買い物に重宝するばかりでなく、やがて自宅から50㌔以上離れた会社にお世話になることになったのだから、今や必要不可欠な存在だ▼入社から2カ月余りが過ぎ、最近は三つのルートから選んで通退勤するようになった。その日の気象状況や気分で選ぶ。第1のルートは海側ルート。リアス海岸沿いに続くつづら折りの道路沿線の海と空、港などの眺めは飽きない。第2は山側ルート。遥か眼下に川が流れる山中の峠道は、やや遠くなる。そして第3は大雨の際などに使う高速道路だ▼会社までの通勤時間は約1時間20分、移動中の第一の楽しみは自然景観だ。今ならサルスベリの紅、白、ピンクの花々をあちこちで目にする。季節が移ろい日が短くなり、退勤時に夕焼けを楽しめなくなったのが少し寂しい。ただ、電車利用なら当たり前の読書は望むべくもない。クルマは運転に集中すると無心になれる。唯一ラジオがお供である。時間に余裕があればマイカーの機動性を活用し、磨崖仏や石橋に立ち寄るのも一興▼会社の業務には社用車を利用しているが、入社して2カ月余りでマイカーは走行距離10万㌔を突破。来年3月に車検を迎えるので、次なるクルマを検討すべき時期か▼マイカー通退勤を楽しんでいるようだが、飲ん兵衛としては「帰宅途中に一杯」がご法度になったのは残念だ。たまには電車というのが、第4のルートとなるか。(コデ)
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