大分建設新聞

四方山

チームを守る

2023年08月28日
 大分トリニータからゴールキーパーの高木駿がコンサドーレ札幌に完全移籍した。今季の出場は少ないものの、大分の守護神で副キャプテンの突然の移籍はサポーターに衝撃が広がり悲痛な声がもれている。チームのことを考えればサポーターの痛みは共感できるが、選手自身のことを考えればJ2からJ1への移籍なのでJ1での活躍に期待の拍手で送り出してあげたい▼米大リーグのエンゼルスも深刻だ。大谷翔平選手は敵地での試合でホームランを放ってもブーイングどころか大歓声を浴びるし、敵地でも大谷グッズが売られている。大谷が打席に立つと移籍のラブコールが歓声になるほどだ。大谷が能力だけでなく、いつも冷静で批判しない姿勢、チームの勝利のために自分の身体を酷使する姿がアメリカ全土に感動をもって伝わっている証拠だ▼さらに上のステージでの活躍が期待される現役スポーツ選手の一方で、われわれの年代では人気絶頂期なのに引退した山口百恵とキャンディーズを思い出す。キャンディーズは「私たちは幸せでした、普通の女の子に戻りたい」と名言を残して解散した。山口百恵は最後のコンサートで歌い終わりに静かにマイクを置きインパクトを残して芸能界を去った▼移籍や引退が起きずに、うまくいっている状況が1日でも長く続いてほしいと願うのが人情だが、しかし世の中はそううまくはいかない▼私が前職にいたころ、職場のチームの仕事が順調にまわり、うまくいっている時にはチームのみんなに対して必ずこの言葉を発した。「この状況がいつまでも続くと思うな」と。禍福はあざなえる縄の如し。吉凶はいつ転じても不思議はない。超スーパースター大谷翔平の故障も例外ではない。彼も同じ人間である。だからエンゼルスは危機感を持って大谷を守ってほしい。(リュウ)
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