大分建設新聞

四方山

戦争の愚かさ

2023年08月25日
 先日孫がやってきた。2歳5カ月と6歳になったばかりの兄弟だ。どちらもかわいい孫だが、5分おきに兄弟げんかがはじまる。原因はおもちゃの取り合い。弟は兄が持っているものをほしがるように出来ている。けんかが起こると親が双方を説得して治めている▼兄弟げんかだとこれで一件落着なのだが、戦争だとそうはいかない。ロシアとウクライナの戦争は誰も止める者がいない。国連とトルコが一時仲介に乗り出したが失敗に終わった。人類は2度の世界大戦を経て国連をつくり国際紛争をはじめとする人類の諸問題を解決する、いわば兄弟げんかの親の役割を果たすはずだった。しかし、その役割は残念ながら今のところ果たせていないと言わざるを得ない▼サプライチェーンを考えると、遠い異国の問題が私たちの生活にそのまま影響してくる時代となっている。ガソリンの高騰や相次ぐ食品の値上がり、半導体不足で車の生産が滞ったことなど皆さんもご存じの通り。戦争は人命を奪い、建造物を破壊するなど直接的な損失を生むだけでなく、サプライチェーンを破壊し世界中に大きな影響をもたらす▼戦争はとにかくお金がかかる。ミサイルが1発1億円以上、戦闘機が一機100億円以上する。前線の兵士には給与のほかに衣食住の全てを提供しなければならない。第2次大戦の日本の戦費は国家予算の280年分に相当する7600億円と言われている。ロシアのウクライナ侵攻では、一日に1兆円前後の戦費が使われているとの試算もある。これだけ金を使ってがれきと化した街を手に入れて、どうするつもりなのだろうと考えてしまう▼毎年8月15日の終戦記念日に向けて戦争の悲惨さや愚かさが語られる。戦争をするお金があれば豊かな生活が出来ることを世界中の人が知ってほしいと願うばかりだ。(筋)
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