大分建設新聞

四方山

夏祭り

2023年08月22日
 国東半島の北方に位置する姫島。『古事記』には、イザナギとイザナミの二神によって日本の国土が誕生したという「国生み」の神話が出てくるが、姫島は12番目に生まれた島であるとも言い伝えられている。古くから人が行き交う土地だったのだろう▼その姫島で、国の選択無形民俗文化財の「姫島盆踊り」が4年ぶりに開催された。人口約1600人。テレビニュースが「島が沈むほど」と例えるぐらい、にぎわったという。人気の的は、顔を白塗りした子どもたちが愛らしく体を動かす「キツネ踊り」。鎌倉時代の念仏踊りが起源という。なるほど、ゆっくり練り歩く感じである▼同じ盆踊りでも「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ」の掛け声で知られる四国・徳島名物の阿波踊りはかなり躍動的だ。一目見ようと、期間中100万人を超える観光客が訪れるという。今年は台風7号が接近し「高齢者避難指示」が発令される中で開かれた。さすがに後藤田正純県知事が苦言を呈するなど、ちょっとした騒動に発展した▼「踊る阿呆に~」というわけではなかろうが、少々のリスクは織り込み済みなのか。コロナ禍で開催された昨年は、踊り手の4人に1人がコロナに感染する事態に。その徳島市阿波踊りだが、祭りは無料で見るものという常識に挑戦するように、早くから観覧の有料化に踏み切っている。今年は20万円の桟敷席まで登場した▼先ごろ開かれた滋賀県大津市のびわ湖花火大会。会場周辺では約2㌔にわたって高さ4㍍のフェンスが立てられた。花火の目隠しとはやり過ぎだろう。安全対策としているが、ホンネは有料入場者の優遇であろう。分断社会…という言葉が頭をよぎる。警備のため警察官400人が動員された。はやりの言葉でいえば、上級国民を守るためでは、と突っ込みたくなる。(熊)
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