大分建設新聞

四方山

PDCA

2023年08月09日
 先日、冷蔵庫を開けると信じられない光景に出くわした。常に2本ストックされている麦茶ポットの内1本が空になっており、その空のボトルがそのまま冷蔵庫で冷やされているのである。「なぜ空気が冷やされているのか」と、思わず2、3回まばたきをした後、大声で旦那を呼んだ。声色から緊急事態を察したのか、風呂上がりの格好ですぐに飛んできた▼「これはどういうことか」と問いただすと「まだ残っている」と主張する。底にうっすら1㌢程度麦茶が残っていたが、どう見ても一般的には空の状態。ボトルを洗う、お茶を沸かす、冷やして補充するといったプロセスを面倒に感じ、あいつがするだろう、と空のボトルを冷蔵庫に戻したのは明らかだ。「ごめんね、次からは気を付けるね」などの言葉は一切なく、もう片方の満タンの麦茶ポットから湯上がりの一杯を楽しんでいる▼この事案の問題は何かと言うと、①問題に気付いたが、それを放置した②次の利用者に対する配慮を欠いている③備蓄が減っても補充をしない、いつ来るか分からない災害に対する危機意識の低さ―だ。これらは全て仕事に対する態度にも表れる。家庭で出来ないことが、職場で出来るわけがない。「誰かがするだろう、大丈夫だろう、なんとかなる」そんな考え方で作業に当たっていると、いつか大事故につながるぞと、熱を入れ懇切丁寧に説明した▼職場におけるPDCAサイクルは非常に重要だが、これらは全て家庭にも当てはまる。夫婦でよく話し合い、この件以降、麦茶ボトルは常に2本キープ状態が続いている―ときれいに話をまとめたかったのだが、実際は感情論が先行し、その後2日間口を利かなかった。「小遣いが減って困ればいい」と弁当も作らないでいると、3日目にボソッと謝ってきた。遅い!(万)
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