大分建設新聞

四方山

野球部のマネージャー

2023年08月07日
 毎日「熱中症に気を付けて」という言葉がニュースに流れるほど灼熱の日が続くが、今年も夏の甲子園大会が始まった。今回もきっと感動する試合や名言を高校生が残してくれることを期待している▼さて、3月に開かれた春の甲子園大会を憶えているだろうか、21世紀枠で出場した徳島県立城東高校野球部のマネージャー永野悠菜さんは、東海大菅生との試合前に甲子園で女子部員として初めてノックをした。しかし、夏の県予選では徳島商に敗れ初戦で姿を消し、3年生の永野さんの高校野球は終わった▼3月の春の甲子園大会を前に、女子部員が試合前にノックをすることが可能になったから実現したのだが、そのきっかけは大分県の代表校にある。2016年夏の甲子園大会で甲子園練習をしていた大分高校の女子マネージャーがノックのボールを渡す役をしている時、大会関係者に注意されたことに始まる。この注意に対して多くの意見が寄せられ、日本高校野球連盟の流れが変わり、不要な性別規制や条件をなくす動きが始まった。女子のノッカーに続いて今年の夏の大会から出場校のプラカードを持つ係なども性別は不問となり、男子6人が選ばれた▼しかし、城東高校の永野さんは性別による規制にチャレンジした訳ではない。永野さんを含めて部員が13人と少ない中で、選手の練習時間を増やすために自分にできることはないかと考えて始めたのだ。運動もしたことがないのに練習を重ね、少しでも選手が練習できるように思いを込めて打ってきた▼しかも「おったら助かるマネージャーじゃなく、おらんかったときに困るマネージャーが目標なので」と話す。まだ高校生だが、チームに必要な人はどういう人かを正確に理解し表現している。この女子高生の言葉にわれわれ大人もわが身を振り返ろう。(リュウ)
取材依頼はこちら
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP