大分建設新聞

四方山

せっけん

2023年07月14日
 夏の不快なこと代表が、汗と脂で顔がベタつくことだ。塗った日焼け止めもすぐに落ちてしまうし、化粧はドロドロに崩れるしでうんざりする。若い女性が小さなハンディ扇風機を持っているのを見かけるが、あれは涼を得るよりは、汗で化粧が落ちるのを防ぐ意味合いが強い。男性がバシャバシャと水道で顔を洗う光景を見ると「涼しそうだな」と、ちょっとうらやましい▼青春の象徴、ニキビ。これも夏の時期は特に酷かった。ヘアピンで前髪が顔に触れないようにガードし、油取り紙をペタペタと顔に貼って試験勉強をしていたことを思い出す。ニキビに効くと聞けば何でも試し、専用の洗顔フォームを購入したこともある。だが結果的に一番効果があったもの、それはせっけんだった▼「高価な化粧水や薬を塗る前に、まず徹底的に素肌を洗浄・殺菌しなければ意味がない」と、薬用せっけんを使いだしたのがきっかけだった。そこから劇的に肌の状態は改善した。学生時代の写真はそれこそ「ニキビ面」だが、今はそれよりシミやシワの方が気になる。(年を取っただけ、とは言わないでいただきたい)▼「結局はシンプルが一番」と気付き、以降20年余り洗顔はせっけん一択だ。ここでふと気付くのが「昔は季節の贈り物でたくさん家にあったのに」ということ。ボディソープがシェアを伸ばしたから、敏感肌の人が増えたからなど、人気が下火になった理由は考えられるが、単に季節の贈り物をする習慣が薄れてきた、ということもあるだろう▼旦那が最近、吹き出物に悩んでいる。まるで女子高生のようにウロウロと店の棚の前で洗顔フォームを選んでいたので「いいから黙ってせっけんを使え」と言うと「男みたい」と言い返された。そろそろ水道で顔を洗い、タオルでゴシゴシ拭ける気がする。(万)
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