スマホが充電しなくなった。慌てた。充電器につないでいるのに電池残量がどんどん減ってくる。スマホが壊れた。明日は仕事を休んでショップに行かなくちゃと思いつつ寝た。その時思ったのは、県外にいる娘との連絡はどうしよう、もし娘からの電話に出なかったら一人暮らしの老人の身に何かあったのでは、と要らぬ心配をかけるのではとか、友人との連絡はどうしよう、とか▼私が子どものころ、電話は集落にあるたった一軒の店にあるだけで、もちろんわが家にもなく、それでも暮らしていけた。今では一人に一台の電話になっただけでなく、何とも表現しづらい「スマホ」という代物を持ち歩く時代になった▼スマホって何？電話以外にメールでやり取りができる、しかも電話番号を覚える必要がない、インターネットで世界中とつながり辞書代わりにもなる、道案内もできる、各種ポイントカードにもなるし、財布代わりに店や電車賃の支払いも出来る、確定申告まで出来ちゃう非常に便利なもの？▼しかし、故障した途端に大変なことになる。電話をかけたくても公衆電話は見当たらない、電話番号はスマホが憶えているので自分の記憶にはない、買い物もできないしポイントも貯まらない▼パソコンに出会ったのは35年前。もともと字が下手な私はワープロ機能がうれしくて便利なものが出来たと喜んだ。その後技術は日進月歩でチャットＧＰＴまで出来て、人生相談まで出来るようになった。知らぬ間に周りはコンピューターだらけ。炊飯器、掃除機ルンバ、洗濯機などの家庭用品から車まで。特に車では運転が下手だと「叱られる」。仕事や学習もリモートだ。私のスマホは充電器の故障だったが、もし大規模な磁気嵐なんかが起きてコンピューターが使えなくなったら、と思うだけで夜も寝られない。（筋）