大分建設新聞

四方山

カタカナ

2023年06月28日
 近年、ユニバーサルデザインとかソーシャルインクルージョンなど社会的弱者にやさしい街づくりが提唱されているが、筆者のような年寄りには厳しい世の中になってきたとつくづく感じる▼ごみの分別収集が始まった時に、ペットボトルの蓋とラベルはプラごみにするとか、瓶はガラスの本体だけで蓋は材質によって可燃物や不燃物に分別するなどなど、市役所からゴミ分別辞典が配布されているほどで、ごみ捨ても字引が必要な時代になった▼2年前に携帯電話の通信プロトコルが3Gから4Gになるためガラケーが使えなくなると聞いてスマホに替えたのだが、従来の電話・メールに加えてアプリなるものが入ってきた。これが年寄りにはすごく厄介で、使うためにはアカウントを登録しパスワードの設定が必要なので苦労する。挙句の果てには勝手にアップデートしたり、知らぬ間に起動して電池が消耗、半日持たなかったので販売店に駆け込み、年寄りの強みで若い店員に何回も同じことを聞いた。マイナカードのマイナポイントも最初は意味が分からず、作って2年後に手続きした。この間、他界した母は無知のためにこの恩恵にあずかることが出来なかった▼今の世の中、買い物に行っても電子マネーやポイントをスマホにアプリ登録できなければ割引などの恩恵は受けられない。役所の申請などもスマホやパソコンで行うようになっている。つまりスマホやパソコンにまったく縁がない年寄りをはじめ、社会的弱者は民間や公共が提供する恩恵を受けられないし、ごみ分別に苦しまなければならないのだ。悲しいし、ひどい▼が、今書いているこの文章にも意味不明なカタカナ言葉がいっぱいで自分でもびっくり。加えてID、IoT、AI、DXetcと横文字の嵐…思うだけで夜も寝られない。(筋)
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