大分建設新聞

四方山

撮影スポットの整備を願う

2023年06月12日
 久しぶりに大分駅から日豊本線下りの特急に乗った。車両は九州新幹線が開通する前、鹿児島本線で走っていた特急「つばめ」に使われていた車両なのだが、なんと車掌が乗らないという。駅の無人化が騒がれているが、列車内の無人化も進んでいる。鉄道の利用者が減っている路線での合理化は民間企業として当たり前のことだ。電力のように利益を確保できる料金設定にすれば、もっと客は減るだろう。一方で、豪華クルーズ列車は高額料金にもかかわらず予約が取れないのが実態だ▼車窓に目をやると、幸崎辺りからローカル線の色が濃くなる。県南は活気がないという声を耳にするが、日豊本線の車窓からもその雰囲気が伝わる。乗り鉄からすると味のある車窓だし、県境の山間では川からカメラを向けるマニアもいるが、地域の活性化とは結びついていない▼乗り鉄と撮り鉄の二刀流からすると、撮り鉄が集まる撮影スポットをなぜ整備しないのかと思う。例えば、杵築駅を出て大神駅に向かうと、すぐに八坂川を渡る。ここに勾配がありカーブしている珍しい鉄橋がある。川の上流側に立って見ると、鉄橋を渡る列車と大神方面から鉄橋を渡ってくる列車が映える。この場所に撮影スポットと駐車場を整備してカフェを併設してほしい▼また、大分空港の付近にも飛行機が飛び立つところを撮影できるスポットを整備してほしい。もちろんカフェも併設である▼なぜ、カフェが必要か。地方の鉄道や空港は発着回数が少なく待ち時間が発生する。撮影スポットで待ちながら、地産地消の食事をして土産まで買ってもらえば、地域の宣伝になるのではないだろうか。インバウンドが無秩序に溢れずに、撮り鉄が危険な撮影をしないように撮影スポットを整備することは、現代の新たな観光地づくりになる。(リュウ)
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