大分建設新聞

四方山

レトロ喫茶探訪

2023年06月05日
 スターバックスをはじめ全国区の喫茶チェーンは大分でも人気があり、ドライブスルーにクルマが並ぶ店も多い。誘われたり、待ち合わせ場所に指定されて入店することはあるが、自分から行きたいと思ったことはない。自己分析をしたことはないが、学生時代から、就職しても結婚しても昭和の喫茶店に通っていたからだろう▼「古き良き時代の香りとともに」というサブタイトルが付いた「レトロ喫茶探訪」という本が出ているのを先日、書店で偶然見つけた。この手の本は都会地の店ばかり載っているのが常で、身近ではないと思い手に取らなかったが、後ろ髪を引かれる思いで帰り際に手に取り、少し立ち読みをした▼まず目を引いたのは、音を楽しむ喫茶店のページだ。東京と関西の店しか取り上げられていなかったが、音響装置の凄さとレコードコレクションの多さに心が惹きつけられた。今年は東京にも大阪にも行く機会があるので、ぜひ行ってみようと思う▼次に、全国編のページに目をやると、何と大分のコーナーがあった。大分市から「花樹苑」「珈琲店みまつ」の2店しか選ばれていないのに、別府市からは「珈琲亭」「喫茶なつめ」「青山コーヒー舎」「なかむら珈琲店」「にしむら珈琲店」「珈琲専科グリーンスポット」の6店が選ばれている。まさに別府レトロだ。8店のうち6店は学生時代に創業しているからよく通ったのだろう。行ったことのない別府の珈琲亭に近々行ってみようと思う▼そろそろ、昭和の喫茶店に浸かる日々を過ごそうと思う。若い頃、上司から出された宿題の論文を書いた店は残念ながら閉店したが、今でもあの時のコーヒーの香りがする行きつけの店がいくつか残る。店が開くのを待って、コーヒーの香りに包まれる朝の時間を大切にする余生を送る時がきた。(リュウ)
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