大分建設新聞

四方山

環境変化には経営体質の見直しを

2023年05月29日
 以前取り上げたように週刊朝日が間もなく休刊に入る。紙に印刷されたものは確実に減っている。官庁や企業の職員録もデジタル化が進み、冊子としての姿を消しつつある▼同窓会名簿もデジタル化が進み、すでに紙の名簿がない学校がある。同窓会名簿はペーパーレス化だけでなく、個人が手紙でやり取りをしなくなったことも影響している。携帯電話やインターネットがまだ一般的でなかった頃は、手紙での情報交換が一般的で、紙に印刷された住所は貴重な情報で、手紙を出すには正確な住所に更新しておかねばならなかった。手紙を出さなくなった今、携帯電話の番号が分かっていれば不自由はない時代となったので、住所の更新も遠のき、名簿には空欄が目立つ▼昭和の先輩方は「同窓会名簿を使って先輩を頼れば良いのだ」と言うけれど、更新が行き届かない名簿は役に立たない。手紙を書かない、新聞を読まない今の若い人には昔話に聞こえるのかもしれない▼ペーパーレス化、SDGsなどにより紙に印刷する市場の拡大は今後は見込めないだろう。医療事業の拡大を図っているコニカミノルタは、ジャスピンコニカ、α7000という自動でピントを合わせるカメラのヒット商品を出したコニカとミノルタが経営統合した会社だ。統合後は、複写機と光学部品を中心に複合機を強化してきたが、医療事業の拡大は順調に行かず大きな損失計上が続いている▼一方で、コニカミノルタと似た業態で同じ戦略を成功させて大きな利益を確保している会社もある。厳しい環境でも利益を伸ばす会社は、自社の都合のよいシナリオを描くのではなく、リスクを明確にした上で環境変化に対応できる組織力を持って臨んでいる。業界を問わず、環境変化に対応するには、まず、経営体質の見直しが必要なのだろう。(リュウ)
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