大分建設新聞

四方山

決意の炎

2023年05月24日
 年を取り「されなくなったな」と思う質問がある。①好きな食べ物は②好きなタイプは③将来の夢は―の三つだ。年齢はまだ遠回しに確認されることがある(別にはっきり聞いてくれてもいいのに)し、既婚かどうかもまだ聞かれることはある。単に学生時代などに比べて、生活で関わる人数が減ったからという面もあるが、それにしても、やはり何年もこの質問はされていない▼だが考えてみればもっともな話で、昔からの同級生などであれば、この質問の答えは全て把握済みのものだ。それ以外の一体誰が、30代半ば既婚女の①②③に興味があるというのだろう。他人に興味を持ってもらえるような、本を執筆でもするような人生を送っているわけではないのだから、この結果も当然だ▼ちなみに①は唐揚げとソフトクリームで②は芸能人で言うと竹野内豊③は小金持ちになってコンビニで値札を見ずに買い物をすることだ。しかしそれでは答えとして格好が悪いので「年を取ったら小さなカフェでもやってみたい」と模範解答を準備している▼コロナでさまざまな行動が制限されていたが、集まること、人に会いに行くこと、声出し応援などが少しずつ緩和されてきた。仕事の面でも、マスクの下の顔を想像して話す必要がやっとなくなってきた。この3年で初めてお会いした方には、マスクなしで再訪すると「こんな顔だったの?」と驚かれることもある。お互いちょっと恥ずかしい▼失った3年間を取り戻すかのように、いろいろな所に行って、たくさんの人と話をしたい。コロナ禍で結婚したので、まだ新婚旅行にも行っていないのだ。これからの中で、①②③の質問をしてもらえる位、自分自身が内も外も魅力的にならねばと、静かに決意の炎を燃やす。たぷんと出た腹の肉をつまみながら。(万)
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