人数でも人材でもなく人財が大切
2023年05月22日
ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジンは、ウクライナ東部の要衝バフムトを完全に解放したとメッセージを出した。加えて、勇敢に戦ったウクライナ軍の兵士への尊敬の念と思わせるもの、西側の供与する兵器は優秀で強力で苦戦したと思わせるものを間接的なメッセージで出した。激しい戦いを最前線で戦い抜いた者が相手に送ったエールと解釈できる。一方で、ロシア政府とロシア軍幹部には、以前から厳しいメッセージを出している▼日々の仕事の現場に通ずるものを感じた。どんな仕事も一方的に仕事を進めて行くのは困難で、最前線の現場では作業者、現場管理者、技術者が汗を流し知恵を絞り、営業担当者などが多くの時間をかけて準備をしている。そんな仕事の最前線でやり遂げた者が、相手の会社は優秀な人材が最先端の道具を使っているが、自分たちの本社の支援は充当なのか?と言っているのと同じだと感じた▼前職では、現場に立てと教えられた。うまく動いていた歯車が、噛み合わなくなるのは、トップと現場とのギャップがきっかけになる。トップが上がってきた報告を見るだけでなく現場に出向くことが、どれほど現場のモチベーションを上げるかは明白だ▼就業人口は急には増えないのだから、いま最前線で働く人は大切にしなければならない。人材の育成も必須である。米国アスレチックスの藤浪晋太郎投手の不安定な投球に、昨季まで在籍した阪神タイガースのフロントが自分たちの育成の責任はないと言っていると報じられた。恥ずかしいことだ▼人材不足という文字をよく見ると不足しているのは「人数」ではなく「人材」だ。前職では「人財」を使った。人材不足と言うなら、人を財産と扱うべきだ。藤浪投手には阪神のフロントを見返すぐらいの活躍を期待する。(リュウ)