大分建設新聞

四方山

母と話そう

2023年05月15日
 今年も「母の日」には育ての母にプレゼントを届けた。祖父母に育てられていた私は、たくさんの人の支援があって成人できた。実の母が亡くなってからは、支援してくれた育ての母にプレゼントを送り続けている。親は無くとも子は育つと言うが、私がまっとうに育ったのは祖父母のおかげだけでなく、そばにいない母の代わりをしてくれた育ての母のおかげもある。まさに遠くの親戚より近くの他人だった。早くに亡くなった実の母の代わりに、元気で長生きしてほしいと願っている▼妻は遠く離れた孫の写真やビデオが届くととても喜び、離れていても孫をかわいがり癒されているが、長男のことはいくつになってもどんな立場になっても心配している。この4月から単身赴任なので余計に心配している。そんな姿を横から見ると母親特有の親心を感じる▼私の母も、最後に入院した病院でベッドの脇に座って看病している私に「もう帰れ、体調を壊さんように帰って休め」とよく言っていた。自分の命を差し置いて、息子の体調を気遣う母だった。母の日のプレゼントもしたことがない冷たい息子たちだったが、母はいつも自分より息子たちのことを心配していた▼母は私の思うように生きて良いんだと、進路などに対して何も言わなかった。全て自分で決めさせてくれた。おかげで、私なりに充実した人生を送ることができている。25年前、還暦を過ぎて間もなく亡くなった母の歳に追いついた今、自分のことより私のことを心配し続けていた母と祖母への恩返しは、元気で長生きすることだと思っている▼この歳になると、母ともっと話をしておけば良かったと後悔が募る。一日で良いから母が生き返ってほしいと思うが叶わない。母のいる男性諸君、プレゼントは要らない、母と話をしよう。(リュウ)
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