大分建設新聞

四方山

子どもの声

2023年05月10日
 「子どもの声は騒音ではないとする法律」の制定を政府が目指しているという。「わざわざ法律で決めることか」「子どもが遊べる環境を整備することが大事」などの意見がある。運動会、盆踊り、除夜の鐘の音がうるさいという人も、今の時代にはいる。いや、過去もいたけど、表立って「うるさい」と主張するほどでもなかったかもしれない▼岸田文雄首相が進める「異次元の少子化対策」の一環だろうが、法律で決めなければならないという「世知辛い」世の中を息苦しく感じるのは私だけだろうか。騒音レベルは数値化できるが、騒音と思うか思わないかは、人それぞれ。自分にも子どもがいれば、公園で聞こえる元気な声は、ほほえましく感じるだろう。しかし、体調が思わしくない時、知らない子どもの大きな声だと、うるさく感じてしまうかも。都会の公園では、田舎では考えられないような禁止事項がたくさんある▼今は多様性が尊重され、ごく少数の意見でも敏感に対応せざるを得ないことがある。企業などは、大事になることを恐れ、少数の意見を尊重し、逆に大多数から非難を受けるなんてこともある。では少数の意見が間違っているかと言えば、そうでないことも。だから、バランスが難しいのだ▼子どもは地域、日本の宝だ。しかし、未婚化と晩婚化の進展に加え、結婚や出産の価値観の変化、子育てに対する経済的不安などもあり、少子化は進むばかり。政府が進める対策の効果は未知数だが、何もしないよりはいいだろう▼早い地域は今月から運動会が始まる。昨年から大きなイベントも再開され、新型コロナも5類感染症へ移行となった。さまざまなことを我慢させられていた子どもたちの歓声も戻り始めている。子どもの明るい未来のため、私たち大人は何ができるだろうか。(せい)
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