大分建設新聞

四方山

ネコ

2023年04月28日
 知人から「ネコを拾った」と連絡を受けた。生後10日ほどの仔ネコで、白いのが2匹と黒キジトラが2匹の計4匹。大分市内の河川敷に、麻袋に入れて捨てられていたらしい。幸い通りかかった際に気が付いたので自宅に保護したらしいが、何とも腹立たしい。状況から見ても、故意に袋に入れて放置したことは明らかだ▼環境省の統計資料によると、2021年度の1年間でさまざまな理由から殺処分されたネコの数は、全国で1万1718匹。これには冒頭のような個体のほかにも、飼い主死亡などにより飼育できなくなった成熟個体なども含まれる。手放す側にも理由があるのは理解できる。しかしその前に、次の飼い主を探すなどの最大限の努力を行ったのだろうか。悲しいかな、麻袋からはそんな気持ちは微塵も感じられない▼飼い主のいない野良猫は別名「地域猫」とも呼ばれる。別府市ではこの地域猫保護活動が盛んで、別府市地域猫保護活動グループ「ピースフルキャットライフ」という団体が立ち上がり、飼い主がいない猫を増やさないための繁殖制限(避妊・去勢)や、産まれてきてしまった仔ネコを保護しての里親探しなどに、組織体制で取り組んでいる▼耳が片方だけV字にカットされた個体を見かけたら、それは不妊手術済みの目印が付けられた地域猫の可能性がある。一般的にさくらカット、さくらネコと呼ばれ、地域の団体が見守っているネコの印だ。彼らの幸せを願っている人がいる―私たちもそっと見守りたい▼一緒にいると幸せな気持ちをプレゼントしてくれるペットは、家族の一員である。彼らが幸せな一生を送れるよう責任を負うのが飼い主だ。タオルが敷かれた箱の中で、ミューと鳴く小さい命を消したくない。全部は無理でもせめて一匹…。あとはどう旦那を説得するか。(万)
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