大分建設新聞

四方山

偉大なるチロルチョコ

2023年04月25日
 チョコレート菓子を専門に扱うショコラティエが作るチョコレートは多くの人に感動を与える。非常に奥が深く繊細なチョコレートを扱うにはパティシエ同様に豊富な知識と技術、経験が必要だ。ショコラティエが存在する今の日本は本当に豊かになった▼50数年前、私が小学生の頃は、今なら100円程度で買える板チョコでもめったに買えない高価なものだった。その時代、子どもたちにチョコレートを食べさせたいと考えたのは福岡県田川市の松尾製菓2代目社長の松尾喜宣さんで、1962年にチョコレート製造を始めて「チロル」チョコレートを売り出した▼当時は3連形で中にヌガーが入ったものが10円で売られた。チョコレートだけだと、子どもたちが買える10円で製造するのは難しいので、中にヌガーを入れて10円のチョコレートを実現した。10円なら多くの子どもが買えたので爆発的に売れた▼500種類以上あるチロルの中で人気ベスト3は、第3位が「きなこもち」で、餅を再現したもちグミが和と洋の絶妙なバランスを作っている。第2位は「コーヒーヌガー」、苦いヌガーがチョコの甘みとベストマッチしている。79年発売の正方形の第1号だ。そして栄光の第1位は王道の「ミルク」。ミルククリームの濃厚な甘みが激ウマと不動の人気だ▼おつまみ系の明太チーズ味やわさび味なども作り、アーモンドのパッケージのジョージ君は100個に1個のピースジョージがあるという。遊び心を持ち、やれることにはチャレンジするすてきな社風だ。子どもの頃を懐かしみ初期型の3連形のチロルチョコを食べたいが、部分入れ歯や金属で覆われた歯にはヌガーのリスクが大きい。チロルチョコで幸せをいただいた子どもたちが、幸せな晩年を味わえる懐古版チロルチョコを作ってほしい。(リュウ)
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