大分建設新聞

四方山

チャットGPT

2023年04月18日
 知人に聞くと、16日の別府駅周辺は、かつてない厳戒態勢だったという。参院補選の候補者の応援に入った岸田文雄首相の警護のためだ。むろん前日の和歌山県内の遊説先でパイプ爆弾を投げつけられた事件の影響である。駅前の油屋熊八翁の銅像。歓迎の意を込めて両手を挙げるポーズも、この日ばかりは不心得者の乱入を押し止めているように見えたことだろう▼暴挙は警察力で防げたとしても、時代の大きな流れには逆らえない。連日のように新聞記事を賑わすのが「チャットGPT」である。人工知能を使った対話型ソフトで、質問すると、ごく自然な文章で答えてくれる▼検索ソフトと似ているが、決定的に違うのは検索ソフトは関連性の高いサイトを紹介するだけなのに対し、チャットGTPは、文章で表示される点である。試しにと思い、72年ぶりに無投票となった大分市長選にちなんで「無投票当選の問題点」と打ち込むと、瞬時に「有権者の声が反映されないこと」という回答が表示された▼「人間の命は地球より重いのか」という倫理的な質問についても、「地球より重いというわけではありません。人間の命の価値は、地球よりもはるかに高いものです」と返ってくる。キーボードで文字を打ち込んでいて空恐ろしくなる。規制が必要だという議論が起きているが、事態ははるかに進んでいる▼国会で野党議員がチャットGPTが作成した質問を岸田首相にしたことが話題になった。そうかと思えば、立憲民主の議員3人が反対するはずの法案に勘違いして賛成してしまう珍事が報じられた。AIはそんなミスはしない。ならばAI任せにすればいいのか。断じて否である。ではどうすればいいのか。答えは見つからない…。チャットGPTに尋ねるって?すごい時代になってしまった。(熊)
取材依頼はこちら
フォトkンテスト
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP