大分建設新聞

四方山

異次元の少子化対策より近所の政策

2023年04月17日
 宝島社が2013年から実施している住みたい田舎ランキングの23年度版で、人口2万人以上3万人未満のまちで豊後高田市が全4部門で1位となった。豊後高田市の成功と実績の影響か、県内のほかの自治体も当ランキングで好位置を占める▼隣りの宇佐市は、人口5万人以上10万人未満のまち123自治体のなかで総合部門2位、若者世代・単身者部門3位、子育て世代部門1位、シニア世代部門1位となった。そして、子育て世代部門1位を後押しするかのように男性の育児休業取得促進奨励金制度を開始した。この制度は県内初で全国的にも珍しい▼さらに子育てパパ応援講座を開催し、うさパパコミュニティクラブも結成して育児に参加する男性を育児と仕事の両面から応援する。子育て応援企業認証制度も推進しており、建設業からは末宗建設㈱(末宗光晴社長)も認証を受けている。少子化の要因として結婚する人が少なくなったからだという見方もあるが、結婚した人に子どもがいないケースも多く、結婚している人が子どもを産んで育てられる環境を整える方が大切だという意見もある▼男性も育児に参加して、物理的負担を軽減するだけでなく、育児を通して奥さんの気持ちや考え方を共有することは効果的だ。偶然宇佐市の取り組みに接したが、若い世代への移住政策で成果を上げているほかの自治体でも、岸田文雄首相が進めようとしている異次元の少子化対策の先を行く▼重要な物事は現場で起きている。現場で子育て支援をする担当者は、いま何が必要かじかに目で見て耳で聞いている。少子化対策も地域によって課題が違うので、全国的に同じ施策や同じバラマキをしてもヒットはしない。地方創生を掲げるなら、それぞれの地方の事情に耳を傾け、地域に合った政策に手厚い支援をすべきだ。(リュウ)
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