大分建設新聞

四方山

ダルビッシュ

2023年03月24日
 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶり3度目の優勝を果たした「侍ジャパン」。ロケットの打ち上げに失敗するなど暗い話題が続く中、列島をいっぺんに明るくしてくれた。一人一人の選手に「ありがとう」の言葉を伝えたい▼目を見張ったのが久しぶりに見るダルビッシュ有投手の変わりようだった。日本ハム時代はどこか突っ張った雰囲気をまとっていたが、最年長の36歳を迎え、侍ジャパンのリーダーとして、若手に声を掛けアドバイスする姿が印象的だった。そのダルビッシュが水不足に苦しむ人たちを救うため井戸の設置活動に取り組んでいることを朝日新聞の記事で知った▼12年になる大リーグでの体験が、彼を大きく成長させた……と思った。ところが、そうではなかった。日本ハム3年目、20歳の時からの活動だという。「野球を通じて社会、そして世界に何かできないか。そんなことを考えた時、できることをまず始めてみようと」。当時の決意の弁という▼大リーグに行って変わったのではなかった。かの地で成功しても、他者をおもんぱかる心を持ち続けたダルビッシュが久しぶりに日本のファンにその姿を見せてくれたということなのだろう。変わらないといえば、除名になったガーシー前参院議員(51)である。待っていたかのように、捜査当局は国際手配した▼容疑は常習的脅迫。要は「ゆすり屋」を議員として遇し、約2000万円の歳費を支払ってきた。前議員は所属する政党を介して「今後の国政選挙において、再度立候補して改めて信任の判断を仰ぐ」と話した。〝脅迫〟である。ネット時代の今日、第2、第3の「ガーシー」が出てくるかもしれない。自由で公正な選挙は、民主主義の根幹であるとはいえ、何らかの対策が必要なのではあるまいか。(熊)
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