大分建設新聞

四方山

ファン

2023年03月01日
 「最高で最愛の大分トリニータ」の調子がいい。先週末のホーム開幕戦では1万5000人の観客の前で東京ヴェルディを下し、2連勝とした。今年のJリーグではコロナの感染症対応ガイドラインが改定され、スタジアム来場可能数の上限撤廃と全席声出し応援が可能となっている。ドームに響く声援とチャントが愛おしい▼調子がいいとは言え、トリニータの厳しい台所事情は相変わらずだ。おそらくJ2クラブの中でも厳しい財政状況であろう。1999年に設立され、一時はJ3まで陥落、負債も最大で12億円と気が遠くなるような金額まで膨れ上がった。そのような中でも地道な収益化とファンの獲得を続け、2019年にはJ1へと昇格、債務も完済し経営再建を果たした。しかしここ数年はチーム成績、業績共に苦しい状況が続いている▼主力選手の流出が多かった昨シーズンだが、限られた予算の中で的確な補強ができているように素人ながら感じる。ブラジルからの外国人選手のほか、アカデミー出身の若い選手の躍動が目立つ。さて、トリニータがこれからもドームに1万人を呼び続けるには、何が必要なのだろうか▼分かりきったことだが、熱量のあるファンの獲得、これが答えだろう。人が集まる所ではお金も動く。「スポンサーにとって価値のある場所を作り出す」ことが、台所事情をひっくり返す何よりもの近道だ。サポーターが求めるのは結果、スポンサーが求めるのは対価だ。もちろん全てのスポンサーがそうだとは言わないが、大金を出す以上、それを求めるのは当然だろう▼今週末には栃木SCをホームに迎えて戦う。いやしかし、ファンを増やさねばならないのは新聞も一緒だ。読む価値を提供する―そのために足を使いたい。今後とも宜しくお願いしたい(低頭)。(万)
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