大分建設新聞

四方山

おとな食堂

2023年02月20日
 ロシアのウクライナ侵攻が1年を迎える。ロシアは兵器による武力だけでなく、エネルギーも武器にしてEU向けの天然ガスや石油操作を展開しているが、一方で世界一の小麦輸出国でもあるロシアは食料も武器に使う▼反対に世界一豊かと言われる日本の食は60%が輸入だ。自由貿易が成り立たなければ食料の調達は非常に難しい。日本の国民食カレーライスをみると、家庭用のルーも値上げで簡単に作れないという声も聞こえる。業務用のカレーはもっと厳しい。スパイスは、インドの経済成長により取引価格が上がっているところに異常気象が追い打ちをかけて取引価格は2倍にもなるという。鶏肉はブラジルで各国による争奪戦が起きており入手困難。野菜も輸入が多く価格は上がっており、地産地消の食材でしのいでいる店もある▼もう一つの国民食、そばも自給率は高くない。立ち食いそばは、東京オリンピックを機に屋台から駅ナカや駅前に多くなり、サラリーマンの需要に応じて早さに加えて安さと品質を追求してきた。椅子を設置することで女性客を増やし、東京の五反田駅にはロボットにより茹でて洗って締めることでコストダウンに成功したそば屋もある▼食の現場は知恵と工夫を重ねているが、経済安全保障担当の大臣はいても、食料安全保障担当の大臣がいない日本の食料政策は大丈夫なのだろうか。中国は、すでに食料は安全保障の要と位置付け世界に投資をしており、ブラジルは食料の輸出先を日本から中国にシフトしようとしている▼子ども食堂は、放課後の子どもたちの居場所を作ったところ。おなかのすいた子どもたちはいつもイライラして、ご飯を食べると落ち着いたので(食堂を)始めたというエピソードがある。大人も同じ。おなかを満たして穏やかな気持ちで仕事をしたい。(リュウ)
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