さあ、チョコレートを買いに
2023年02月13日
コロナ禍で寂しかった百貨店のチョコレート売り場も今年はにぎやかなようだ。猫ブームにのって猫をキャラクターに使ったもの、徳川家康、織田信長、伊達政宗など武将シリーズを展開するメーカーもある▼異色のチョコレートを紹介する。一つは、クオンチョコレート。2003年、当時26歳だった1人の青年が心や体に障がいがある人や、性的マイノリティなど多様な人たちが働きやすい、そして賃金が得られるチョコレート製造会社を設立、ブランドを築いたもの。大分市の映画館シネマ5では、そのドキュメンタリー映画「チョコレートな人々」を上映している▼もう一つは、マーハチョコレート。18年、国際基督教大学在学中の19歳の時に単身ガーナに渡航した女性、カカオ農家が抱える課題を解決するための活動を始めた彼女が、クラウドファンディングでガーナにチョコレート工場を建設し、創ったブランドだ▼バレンタインデーの起源は、古くローマ帝国時代までさかのぼるらしいが、日本では60年あまり前、東京の百貨店が仕掛けたものがきっかけだという。以後、女性から男性にチョコレートを贈る文化が根付いている。もちろん、1カ月後のホワイトデーも日本独自のお返し文化を商業化したもの。今では、仕事でお世話になっている人へのビジネス的な意味合いが濃くなっている▼もはや、バレンタインデーは女性からチョコレートが届くものという考えこそアンコンシャスバイアス。まだ間に合う。男性こそチョコレートを買いに行って「いつもありがとう」という気持ちを女性に伝えよう。女性活躍推進を唱えるリーダーは、それくらいの勇気と実行力が必要だ。「多様性を尊重していない」と国会で追求する政党、釈明する政党の面々こそ、率先して女性にチョコレートを贈ってほしい。(リュウ)