このスペースで、今日は私が大好きな映画を紹介したい。１９９０年に公開された映画「トレマーズ」だ。ロン・アンダーウッドが監督、主演は若かりし頃のケヴィン・ベーコン、フレッド・ウォードのＷ主演。ジャンルで言うとモンスターパニック系になるのだが、非常によくできたＢ級映画の傑作だと思っている▼舞台はアメリカのネバダ州、砂漠地帯にポツンとある人口14人の田舎町。便利屋のバルとアールはそんな町に愛想を尽かし、隣町へ転居を決意する。荷物を積んで出発すると、鉄塔の上で死んでいる住民のエドガー、次に首まで地面に埋まって死んでいるフレッドを発見する。さらに工事中で１本しかない隣町への道路が、がけ崩れで通行止めに。作業員は見当たらず、ヘルメットだけが転がっている。「町を出るのが１日遅かった…」。地中から襲い来る巨大生物と、町に閉じ込められた住民との攻防戦がスタートする…というあらすじだ▼高く評価されているのが、昼間の砂漠という明るく開かれた空間で進む物語でありながら、閉塞感があることだ。さながら「陸のジョーズ」とでもいうような怪物が地下にいるせいで、地面には近づけない。また終始緊迫しているわけではなく、ユーモアもたっぷりで実にテンポがいい。モンスターに食べられるシーンはあるが、性描写はないので家族で見ることもできる。そして何よりラストシーンがいい。観て欲しいので詳しくは書かない▼続編は７まで。ドラマやスピンオフも出るほどの良作なのに、なぜか知名度が低い。私はもう何度も見たので、字幕はほぼ丸暗記している▼自分が好きなものを人に勧めるときは、つい熱が入る。メンズ地下アイドルが逮捕された推し活のようになるのは避けたいが、興味を持った方はぜひともレンタル店へ。　（万）