大分建設新聞

四方山

レジェンド引退

2023年01月27日
 26日にあった車いすテニスの全豪オープンで小田凱人選手(16)が準決勝で勝ち、きょう決勝戦が行われる。小田選手は車いすテニス世界ランキング1位で、22日に現役引退した国枝慎吾さんの後継者と言われている期待の星だ▼日本の有名なテニスプレイヤーといえば錦織圭選手、大坂なおみ選手などが思い浮かぶだろう。しかし、現役を引退した国枝選手はこの2人より、はるかにすごい選手なのである▼輝かしい成績の一部を紹介すると、年間の最終世界ランキングで1位を8回、パラリンピックで東京大会を含めて金メダルなど5大会連続で獲得、車いすテニスの世界大会で32回優勝など、まさにレジェンド。元男子テニス世界ランク1位のR・フェデラーが、日本人記者から「なぜ日本から世界的な選手が出ないのか」との質問に対し「日本には国枝がいるじゃないか」と言ったエピソードは有名な話である▼国枝選手は9歳の時に脊髄腫瘍を発症し、11歳の頃に母親の勧めで車いすテニスに出会った。高校生から頭角を現し、2004年のアテネパラリンピックのダブルスで金、06年にアジア人初の世界ランキング1位となった▼この前の東京パラリンピックもそうだが、障がいがある人のスポーツや活動など、もっとメディアなどが取り上げるべきだと思う。ニュースなどで報じられて認知度が高まれば、選手のモチベーションが上がるのはもちろんのこと、競技人口の増加、環境改善などが進み、もっと発展するはずである▼大分県は世界で初めて「国際車いすマラソン」を開き、今や世界最高峰の大会と言われる。毎回多くのボランティアが協力をしており、パラスポーツの先進県である。もっと障がいがある人もない人も、同じ舞台に立って国内外で活躍してほしいと願うばかりだ。(せい)
取材依頼はこちら
フォトkンテスト
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP