大分建設新聞

四方山

ケンミンのための政治

2023年01月23日
 「秘密のケンミンショー」というテレビ番組は、紆余曲折しながら10年以上続く人気番組だ。世の中はグローバル化と言い海外旅行者も増えている中で、ディープな地方の話題を取り上げる。その県特有の風習や食文化に、ほかの県の者としては驚きと地元愛を感じる面白さがある。見方を変えれば、日本には各都道府県単位に豊かできめ細やかな奥深い文化があるということだ▼さて、その地方では選挙の風が吹き始めている。県民にとって身近な影響がある地方の選挙は、市町村会議員でも各市町村長でも選挙区は明確であるが、国会議員の選挙区は全国的にはなかなか定まらない。数字上の格差が違憲だ、無効だということで訴訟が起きており、高裁では「合憲」と「違憲」の一歩手前と警告する「違憲状態」とに分かれている▼一票の格差は、数字合わせの机上論だと思う。2016年の選挙から鳥取と島根、徳島と高知の合区が導入されたが、その後は投票率が下がり無効投票も増えている。数字上の格差是正も大切だが、県民の声はもっと大切で、投票率が下がってしまっては本末転倒だ。県をまたいで選出された議員が出身でない方の県の事情がどれだけ解るか、どれだけ親身になれるか疑問である▼国政と言えども県内で執行される事業には、県民、県知事とベクトルが合う必要があるし、県も国を頼らない財政は現実的でない。つまり、行政も政治も県という単位で動くのが結果的に県民の利益につながる▼2院制の必要性も見直しながら、合区も小選挙区も廃止すべきである。県民の声が届くように全県1区から選出すべきだ。県民の声が偏らないように一番有権者の少ない県を2人の定員とし、有権者の多い県は増えすぎないように算出する。首相を見習って、県民の声に耳を傾けてほしい。(リュウ)
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