大分建設新聞

四方山

大分銀行フードドライブ

2023年01月17日
 「社会になくてはならない業種の地元企業が、一社でも多く、地域とともに発展していくことを期待」。弊紙元日の別刷り紙面のインタビュー記事で、私たち建設業界に熱いエールを送っていただいたのは、大分銀行の後藤富一郎頭取である。その同行が厳しい環境にある子どもたちを励ましていることは、もっと知られていい▼同行役職員327人が持ち寄った、提供可能な食料品など2687個がこのほど、県社会福祉協議会に寄贈された。県内各自治体の「子ども食堂」を中心に配布されるという。名付けて「大分銀行フードドライブ」。2021年9月にスタートして、今回で4回目という。社会から同情心が失われ、冷笑主義が横行する中、同行の取り組みは尊い▼格差社会を象徴するように「子どもの貧困率」(中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合)は、約13%で実に7人に1人が貧困状態とされる。そうした時代を象徴するように、低額あるいは無料で食事を提供する「子ども食堂」は急増している。初めて登場したのは12年のことで歴史は浅い。にもかかわらず、コロナ禍前の19年には3718カ所を数え、22年末には7331カ所にまで跳ね上がった▼満足な食事にありつけない子どもたちが急増している一方で、先に会計検査院から信じられないような報告書が公表された。21年の東京五輪・パラリンピックで、どれほどムダが横行していたのかを「告発」する内容である▼選手村で使われた食材は約1207㌧で、料理として提供された約175㌧が廃棄された。期間中、ボランティアなどスタッフに用意された弁当約160万食のうちほぼ5分の1に当たる約30万食が捨てられた。これが世界に発信した「日本の魅力」ならぬ「現実」かと思うと、泣きたくなる。(熊)
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