大分建設新聞

四方山

紅白歌合戦

2022年12月26日
 第73回NHK紅白歌合戦の出場歌手に続いて曲目も発表された。これだけの出場歌手がこれだけの曲目を歌えば、世代を問わず聴きたい曲はあるだろうというNHKの思いは伝わってくる▼特別企画にいたっては、加山雄三をはじめ、松任谷由実with荒井由実、桑田佳祐feat.佐野元春、世良公則、Char、野口五郎による時代遅れのロックンロールに加えてYOSHIKIやHYDEという豪華版に安全地帯も出る▼NHKの熱い思いの裏には、家族がテレビの前に揃って楽しめる歌番組を再現しようとしているのかもしれない。ツイッターの「いいね」やリツイート、データ放送の「決定ボタン」による視聴者参加型のステージは、広い世代に受け入れられるだろうが、世代をミックスした出場順だと長時間視聴するのが辛い。出来ることなら世代で時間帯を分けてもらえるとありがたい▼紅白歌合戦は、終戦直後にGHQから横やりを入れられながら前身の番組が始まり、その後、紆余曲折を経て現在の形になり、今またテレビ離れや家族構成の変化を受けて、試行錯誤している。多くの歌番組が無くなってしまった今、NHKが歌番組を諦めていないことはありがたい。歌にはその人の思い出が紐づいている。大みそかに歌を聴き「あの時」を思うことは、今年を締めくくったり、新しい年を迎えたりする心の後押しになる▼今、財津和夫がリーダーを務めるTULIPが50周年記念ツアーをしている。命懸けではやらない、命はつないでおきたいと言い、ピークの3割程度しか声が出ないところは勘弁してくれと言っている。50周年を迎えて最後に歌いたいと、音楽の力を通して伝えようとしているメッセージを受けとめ、1970年代の音楽に影響を受けた世代として、改めて音楽の力を信じながら紅白を見てみようと思う。(リュウ)
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