大分建設新聞

四方山

会議は原則公開がいい

2022年12月21日
 「原因は火じゃ」。不審火の取材だったと思うが、出火原因につながる何かを聞き出そうと警察署に取材に行った際、不機嫌そうな声で刑事二課長にそう言われたことがある。駆け出し記者は、笑い話のような言葉で軽くあしらわれた▼かなり以前は大事件でもない限り警察署の刑事部屋に入れたものだ。毎日のように課長や次席ら幹部の席を回って話をしていると、違和感のようなものを感じることがある。「鼻が利くようになる」▼それがいつからか、署に行っても副署長の席すら行けず、呼んでもらいカウンターの外で話を聞くようになった。当然、刑事部屋は立ち入り禁止。何度あしらわれてもふらっと行って話ができた頃と比べるともどかしい▼ふと「サツ回り」の頃のことを思い出したのは、最近、行政が開く会議に違和感を感じるからだ。取材は冒頭あいさつのみというものや、出席者への直接取材禁止というものまであった▼ある委員会では、スクリーンに映した資料のほとんどを取材者に配らず「〇〇は資料にある通りです」との説明が続いた。希少植物の繁殖地が書いてあることを配布しない理由の一つに挙げていた。委員にも当日配布としたため、事前配布を要望する声が上がった。より深い議論のためには当然だろう▼以前、県立高校の教諭が教室で生徒を叩いて骨折させた体罰事案を取材した。説明会で非公開を求める保護者に校長が「きちんと聞いてもらいましょう」と呼び掛けたのが今も忘れられない。外から見えにくい校内の出来事を公開しようとの姿勢に信頼感が増した▼資料も会議も工夫すればより良く公開できる。今の時代、安きに流れれば公開範囲はどんどん狭まる。隠しごとの裏には何かがあると勘ぐられもするだろう。知る権利を振りかざすまでもなく、原則「公開」がいい。(秀)
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