大分建設新聞

四方山

子どもたちの遊ぶ場所

2022年12月12日
 公園を廃止するというニュースが流れた。以前から保育園の近隣住民が子どもの声がうるさいとか、保育園の建設自体が反対されるという報道があったので特に驚かないけれど、視点によってさまざまな意見が出てくる▼子どもの声が騒音かどうかについても、子育てを経験した人としたことのない人、あるいは大昔に子育てが終わった人とでは感じ方が違う。子どもたちに意見を聞くと、バイクの音がうるさいとか酔っ払いの声がうるさいと言うかもしれない▼一方で気になるのは、結果を出すまでにかかっている時間だ。今回の公園は2004年に設置されており、当初から苦情が出ていたが、地元の区長会から廃止要望書が出たのは今年だ。なんと18年もかかっている。ハード、ソフト両面から対策を講じてきたようだが、当時の子どもたちが成人してしまうほどの時間をかけた損失は大きい▼公園を計画し建設するのも、苦情に対する対策も税金なのであれば、もっと広い意見に耳を傾けたのだろうかということも気になる。自身が闘病していたり、家族の介護をしたりしていると、何もかもうるさく聞こえることもあるだろう。理解と配慮は必要かもしれないが、多くの人が恩恵をいただける公園ならば、何も変える必要はないと思う。一概に多数決を持ち込むわけにはいかないが、目的は何か改めて考えるべきだろう▼子どもたちが公園で遊ばない、つまり、必要性がないことは最も気になる。孫を見ていると、観光地に行くことも喜ぶが、近くの小さな公園でも目をキラキラ輝かせて走り回り、初めて会った子どもともすぐに一緒に遊ぶ。ゲームもするし、YouTubeも見るけれど、公園が大好きだ。公園が廃止されることよりも、公園が廃止になっても困らない、悲しまない子どもたちの方が心配だ。(リュウ)
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