大分建設新聞

四方山

ブラボー

2022年12月06日
 「ブラボー!」。「素晴らしい」を意味するイタリア語がこれほど心地いい響きで耳にしたのは初めてだ。サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会で、強豪スペインを相手に挙げた日本代表の大金星。ドイツ戦に続く快挙である。試合終了後、DF長友佑都が喜びを爆発させるように叫んだその言葉に合わせて、思わず万歳した方もいたのではないか▼優勝経験のある2チームを、それも逆転で打ち破っての歴史的な1次リーグ突破。本稿が読者の皆さまの目に触れているころは、決勝トーナメントのクロアチア戦の結果が出ていることだろう。長友の「ブラボー!」の雄たけびは響いたのだろうか。それにしても、スペイン戦はドラマチックだった。新聞には「1㍉の劇勝」「三苫の1㍉」の見出しが躍った▼決勝点を呼び込んだ三苫薫選手のポスト脇の切り返し。ボールは白線を越えているかに見えたが、判定はインゴール。ボールはわずか1㍉ほどラインにかかっていた。超絶の三苫のプレー以上に、最終判定を降したのが審判の目ではなく、ボールに仕込まれたハイテクの目だったことには驚かされた▼ボールにはチップが埋め込まれ、位置をミリ単位以下で正確に計測しているという。W杯といえば、地区予選を巡ってではあるが、エルサルバドルとホンジュラスの間で戦争が勃発したことも。1969年のサッカー戦争がそれだ。ハイテクの目がなければ、スペインからの猛抗議で…などと想像してしまう▼プレー同様、世界から注目されているのが、日本人サポーターのマナーの良さ。試合終了後、競技場でごみ集めする姿は称賛され、大会関係者から表彰された。日本国内ではカジノ好きの元経営者らから「奴隷根性」とけなす声が上がる。斜に構えすぎだ。素直に言いたい。「ブラボー!!」。(熊)
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