大分建設新聞

四方山

ビー・アラート

2022年11月28日
 サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会。大金星で期待が高まるなか、日本代表は1次リーグ第2戦のコスタリカ戦で痛恨の黒星を喫してしまった。第1戦で強豪ドイツを2―1で降した時のような気迫に欠けていたように見受けられた。森保ジャパンが掲げるスローガンは「コラージョ!」という。どこへ消えてしまったのか▼Coraggio――。イタリア語で「勇気、勇敢」を意味する言葉だという。豊予海峡を挟んでお向かいの愛媛県出身、DF長友佑都がチームメイトを鼓舞するために、使い始めた。セリエAのチェゼーナやインテルでプレーした長友ならではの言葉だ▼標語と言えば、長友の母校、明治大サッカー部の応援歌が「ビー・アラート(be alert)明治」。直訳すれば、「警戒しろ」だが、「油断するな」という意味が込められているという。一瞬の判断のミスが失点につながるサッカーという競技を思えば「ビー・アラート」なのであろう。とりわけ今の森保ジャパンに必要かも知れない▼この標語が求められているという意味では、岸田文雄政権も同じであろう。何しろ1カ月足らずで3人の閣僚が辞任に追い込まれた。そして、今度は別の閣僚の「政治とカネ」の問題が取り沙汰される。その内閣の守護神といえば、官房長官の松野博一氏。毎日新聞によると、最近の松野氏の標語は「GUP」という▼尊敬するケネディ元米大統領の言葉「真のリーダーとは、困難の中で優雅さを保てるかどうか」を意味する「grace under pressure」の頭文字。閣僚の不祥事、旧統一教会問題などに加え、内閣の支持率低下など、気が休まる日などないのであろう。ただ、忍耐を重んじるこの言葉、世襲議員でない、たたき上げの苦労人、松野氏らしい。(熊)
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