大分建設新聞

四方山

31年前

2022年11月07日
 玉来ダムが竣工した。本体の発注が2014年で、同年に転流トンネル、工事用道路の工事に着手しているので、工事はわずか8年で完成したと言えるが、事業が採択されたのは1991年で31年も前のことだ。着工までの道のりがどれだけ大変だったかと想像する▼そこで31年前の県内を振り返ってみる。大分空港の3千㍍滑走路が88(昭和63)年に併用開始されたことにより、国際線用の大型航空機の離発着が可能になり国際定期便の準備が進んでいる。海上アクセスでは90(平成2)年のホーバークラフト1艇目の就航に続いて翌年2艇目が就航している。陸上では91年11月に、83年から工事が進められていた大分空港道路が開通している。九州横断自動車道長崎・大分線の延伸に加えて、県内の道路の高速化が進んでいる▼一方で、県下初の本格的テーマパーク「ハーモニーランド」が91年4月にオープンした。ハーモニーランドも紆余曲折があったが、今では、東京のサンリオピューロランドと並んで日本に二つしかないサンリオのテーマパークとして人気を集めている▼国際社会では、湾岸戦争が勃発し多国籍軍が構成される中、日本は資金援助という形で参画し、自衛隊を派遣するPKO法案の審議が続いていた。その後、幼なじみがペルシャ湾の機雷を処理するために呉の海上自衛隊から出航したことを思い出す▼県内に戻ると、91年9月には風台風と呼ばれた19号が猛威をふるい、被害総額816億円に上る大きな被害をもたらした。この時、風倒木という言葉を覚えたような気がする。大野川上流域では古くからたびたび洪水被害を受けてきた。今回の完成を機に、先に完成している稲葉ダムと二刀流で安全・安心な暮らしが守られる。後世に土木技術を継承することが必要だ。(リュウ)
取材依頼はこちら
フォトkンテスト
環境測定センター
arrow_drop_up
TOP