大分建設新聞

四方山

ペットは家族

2022年10月28日
戸建てに引っ越したことをきっかけに「ペットを飼いたい」と、夫に頼み込んだ。実家はイヌを飼っていたし、義実家でもネコを飼っている。私も独身時代ハムスターを飼っていたことがあり、動物のいる生活は将来の理想でもあった。別に血統書付のイヌが欲しい、と言うわけではなく、何らかの形でペットを家にお迎えしたいと考えていた▼しかし、意外にも大反対された。理由は「ペットが死ぬのを見るのが辛いから」だと言う。確かに一度迎え入れたら、動物と言えども家族だ。食費に健康、医療費まで責任を持って見る必要がある。経済的負担はペットの種類によっては10~20年近く続くものになるだろう▼子どもの頃、市営住宅に住んでいた時、近所に野良犬が多かった。秘密裏に飼育していたのを引っ越しの際に置いていく人が跡を絶たず、そして繁殖も繰り返すものだから雑種の仔犬が常にウロウロしている状況だった。そのうち車にはねられるもの、病気なのか足を引きずるものが目立つようになった。すると誰かが通報したのか、保健所の白い軽トラがやってきて、イヌたちを一斉に檻へ押し込み運んで行った。キャンキャンという鳴き声に胸を締め付けられたが、見ていることしかできなかった▼イヌ、ネコに関しては室内飼育が当たり前になった昨今、ペット寿命が伸びてきていると言う。ペットフードの改良やサプリメントの充実もそれを後押しし、飼い始める年齢によっては、飼い主よりペットの方が長生きするケースもある▼結果から言うと、わが家ではペットをお迎えするに至っていない。「夫婦共働きで昼間家にいない時間が多いから、寂しい思いをさせるのも可哀想だ」と、追加攻撃もお見舞いされた▼ペットが与えてくれる幸せな時間もあるだろうが、今はちょっと、慎重派。(万)
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