大分建設新聞

四方山

情報精査

2022年10月07日
 わが家の炊飯器が寿命を迎えた。20年選手だったので、大往生だ。「米が炊ければ何でもいい」という気持ちで家電量販店へ足を運ぶ。到着して、その考えを反省した。各社の特殊な技術、機能、省エネモデルなどの特徴はもちろん、価格もピンからキリまでで、とても自分だけでは決められない。その日はすごすごと退散した▼リビングでカタログを広げ唸っていると、わが家で一番米を消費する人物がやってきて「俺に任せろ」と言う。最終的な購入品については相談することとし、絞り込みをお願いした▼週末を前に、お迎えする候補についてのプレゼンが開催された。象印、パナソニック、タイガーなど、各社の特徴についてわかりやすく説明がなされたほか、価格やマイナス点などがまとめられた表も提示された。拍手喝采▼しかしここからが難しい。各社より選出された選りすぐりの機種から、一つに決めなければならないのだ。その段階でまた唸っていると、すでに答えを持っているプレゼン者が、一つ一つ解決する段階に入った▼60種類以上の銘柄炊き分けができる機種には「実家の米しか炊かないのに、その機能はいるのか」、24時間保温してもふっくら感を保つという機種には「すぐ冷凍するわが家では大きなメリットにならない」といった感じだ▼情報精査が大事とはよく聞くが、実際するのは難しい。私のように紙で並べないと無理、と言うタイプはなおさらだ。インターネットやSNSで情報は簡単に手に入るが、中にはデマや捏造、さらには発信者の主観なども入り混じる。その点、新聞などの活字は、信憑性が違う。情報精査に、いつの時代においても欠かせないツールの一つであろう▼さて、わが家はどの炊飯器を購入したか。気になる方はお会いした時にでも尋ねてほしい。(万)
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