大分建設新聞

四方山

センセイ

2022年10月03日
 大阪府議会では、長年の慣例により議員に対して使われてきた「先生」という呼び方をやめるよう求めていく。全職員に対して、慣例はやめるという通知をするという。一般市民から見ると、当たり前じゃないか、何を今さら、という意見もあるだろう▼広辞苑によると、教員、医師、弁護士など指導的立場にある人に対する敬称のほかに、自分が支持する人、またその人に対する敬称とある。後者は、地方議員でも国会議員でも、呼び名として該当すると考えても違和感はない。なぜいま提案したのかが気になる▼議会を傍聴すると、職員との関係がフラットではないと感じる。委員会では、その色はさらに濃い。職員とフラットになる必要はないけれど、上から目線の議員と自らへりくだる職員のやりとりは、一般市民から見て不自然極まりない。こんな勘違いをしている議員、不勉強な議員が増えたことが、この提案がいま出てきたことの要因だろう▼一方で、医師や教員は大学を出たばかりでも、いきなり先生と呼ばれる。確かに難関大学出身者もいるが、社会人として働いたこともないのに先生と呼ばれる。以前PTA役員を務めた私立幼稚園で、主任の先生が若い先生に、皆さんより優秀で経験豊富な保護者の方がいるので失礼の無いようにと指導していた。以前勤務した私立高校では、社会人経験の無い先生には教頭が厳しく指導していた。私立の学園は民間企業と同様で、社会人として勤務した経験の大切さをよく知っている▼今回の提案の目的は、市民の政治離れの対策かもしれないが、形だけで終わり「先生」と呼ばれたいために夜の店に通う議員が増えないことを祈る。広辞苑でいう先生には「親しみ、またはからかう呼称」もある。夜のセンセイは、恥ずかしいことだと気付いて欲しい。(リュウ)
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