大分建設新聞

四方山

再会の湛水式

2022年09月16日
 いよいよ玉来ダムで試験湛水が始まった。ダムの貯水を満水にして漏水などの安全性、機能を確認するという。2023年度の運用開始を目標に着々と事業が進められている。振り返ると17年4月にダム本体工事に着手して、同年10月にダム本体の掘削工事が始まった。あれから5年…時間が流れるのは早いものだ▼建設は標高約350㍍の大野川上流で、ダムの目的は洪水調節。重力式コンクリートダムで、堤高52㍍、堤頂長145㍍、堤体積13万立方㍍、造成アバットメント(人工岩盤)5万立方㍍、ダムの総貯水容量は409万立方㍍の巨大な建造物だ。12日、試験湛水を前に式典が県、施工業者によって行われた。ダム本体の上流側で行われた式典は50人ほどが出席し、これまでの成果を喜び合った▼完成した壮大な建造物と技術者の喜びを取材していると、1人のプロ技術者の姿をした若人から声を掛けられた。振り返ると、以前どこかで出会ったような…。話すと6年ほど前、大分工業高校土木科3年生が大分市の大在臨海工業地帯6号地でケーソン積み出し作業所を見学した際、同行取材で生徒の感想を聞いたのが彼、木本太陽さんだった。彼は卒業後、㈱菅組に就職した▼私はその後、大分工業高校土木科によるケーソンの現場見学で再度取材した折、菅組に就職して立派になった木本さんに声を掛けられたのを記憶している。その当時の出来事は18年1月24日の本紙四方山に詳しいが、記事の最後に「確実な人口減少と間口の広い建設業を支えるのは若い原動力」と結んでいる▼木本さんに声を掛けられたのは3回目。取材の手を休めて出会った当時の思い出話に盛り上がった。建設業の仕事に磨きを掛ける日々のようで「以前より増して技術者の貫禄を感じましたよ」。再会の湛水式だった。(勇)
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