大分建設新聞

四方山

奢れるもの久しからず

2022年09月15日
 まさかの事故原因だった。昨年10月、和歌山市の紀の川にかかる水道橋の一部が崩落し、大規模な断水トラブルに見舞われた。1週間にわたって市人口の3分の1に当たる約6万世帯で断水が続いた。崩落の一因は、何とアーチと水道橋をつなぐ鋼鉄製のつり材がカワウのフンで腐蝕したためだった。毎日新聞ニュースサイト(9月2日)が詳しく報じている▼水道橋周辺には大規模なカワウのねぐらがあり、夕方になると数百のカワウがアーチの上で羽を休めていた。体重約2㌔ほどだが、1日300~500㌘の小魚を捕食する大食いで、排出するフンの量も半端でないらしい。蟻の一穴天下の破れと言うが、まさにフンの一穴となった▼人気俳優だったはずの香川照之さん(56)がメディアから消えようとしている。東京・銀座の高級クラブで女性の体に触ったという話が直撃した。3年前の話である。本人にしたら「昔の話を今さら」という心境だったかもしれぬが、セクハラに時効なしの時代なのだろう。テレビ番組、大手自動車会社のCMなど軒並み契約解除となった▼東京五輪の組織委員会会長を務め、自民党のみならず政界の長老として隠然とにらみを利かせていた森喜朗元主首相(85)の権威も地に落ちようとしている。東京五輪汚職をめぐる捜査で参考人として事情聴取された。関与の度合いは不明だが、首相経験者の聴取は異例だけに、東京地検も相当の覚悟で踏み切ったことは確かだろう▼折も折、森氏の銅像建立計画が進められている。汚職にまみれた五輪だったことが白日のもとにさらされているさなかである。趣意書によると「スポーツ界における偉大な功績を顕彰」するのが目的という。強烈な皮肉にも響く。設置場所は未定。つり材の切れた橋のように、宙に浮かばなければいいが。(熊)
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