大分建設新聞

四方山

パワースポット竹田市

2022年08月12日
 大分で一番の野菜生産地であるとともに、城下町を中心とした観光地で有名な竹田市。その巨大な資源を背景に地元でどっしりと居座る「岡城」がある。全国的にも指折りの難攻不落の城である。その城域は東西約2500㍍、南北約360㍍、面積23万4000平方㍍に及ぶ。築城は古く、1185年頃と言われている▼一方で、昔の岡城に負けまいと現在の建築・土木技術の粋を集めて建設されているのが「稲葉ダム」「玉来ダム」であろう。ご存知の通り玉来ダムは今年度に完成予定だ。市街地周辺はこれまで数度の大水害に悩まされてきた。市街地中心部を流れる稲葉川と玉来川の氾濫を防ぐ両ダムは、共に治水ダムを目的としている。いわゆる河川の氾濫から住民生活を守るためだ▼岡城と両ダムを比較すると、築かれた時代は違えど共通する点は多い。まず、岡城については当時、地域を攻める「敵」から住民を守るために築かれたであろう。現代に築かれている両治水ダムは、地域を攻める「水害」から住民を守るために建設されている。この竹田地域はいつの時代になっても住民を守るため、「敵」は違えども大きな建造物を築いてきた▼旧・新の大型建造物は住民を守る目的のほか、現在では観光資源としても活用されている。大名行列でにぎわう岡城の春の桜まつりは全国的にも有名。また、稲葉ダムの周辺では、勇壮としたダムの姿に魅了される観光客はもちろん、小松明(ルビ:こだい)祭りやウオーキング大会が行われている。まもなく完成する玉来ダム周辺も公園整備が予定されている。今後、「人命」と「観光資源」の二大活用のさらに大きな効果を期待したい▼九州内陸部のほぼ中心に誕生した巨大建造物。その活力エネルギーは九州一番のパワースポットになる可能性を秘めている。(勇)
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