大分建設新聞

四方山

終戦日の誓い

2022年08月09日
 8月15日は終戦の日。先の戦争で犠牲になられた御霊に対して今年も1分間の黙とうを捧げるつもりだ。今の平和は、戦争で亡くなられた方々の犠牲の上に成り立っている。戦争のない世の中を継続することが、後世に生きるわれわれの使命だと思っている▼1945(昭和20)年5月5日、竹田市折立地区の山中にアメリカ軍のB29爆撃機が墜落した。福岡の大刀洗飛行場を爆撃してマリアナ基地に帰る途中、日本の戦闘機に体当たりされて墜落したという。日本の戦闘機パイロットは戦死、アメリカ軍の爆撃機搭乗員11人のうち4人は現場で死亡、生存捕虜となった7人のうち機長は戦後に帰国し、6人が九州大学医学部に送られて生体実験手術により死亡している▼同じく5月7日、大分海軍航空基地を狙ったB29が日本海軍の航空部隊による攻撃で、佐伯市宇藤木地区に墜落した。2020年2月に佐伯鶴城高校の生徒や地元の戦史を研究するメンバーが、墜落現場付近を金属探知機で調査した結果、土中から銃弾や薬きょう、金属製品などが見つかっている。一部報道で当時を目撃した住民の話では、B29爆撃機1機の片翼がちぎれ落ち、火を噴きながら墜落したという▼竹田市折立地区のB29墜落現場には、土地の所有者だった故工藤文夫さんにより、1977(昭和52)年5月5日の三十三回忌法要に合わせ「殉空の碑」が建立されている。その碑文には「日米犠牲者たちの鎮魂供養の儀を行いご冥福を祈るとともに、かかる戦争の悲劇を二度と繰り返さぬための貴い教訓ともなればと念願しこの碑を建立する」とある▼国内では、憲法9条を巡る議論がある。また、国外では今もロシアによる侵略が続いている。夏の炎天下「戦争は絶対にしてはならぬ」と今も殉空の碑が語りかけている。(勇)
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