大分建設新聞

四方山

二刀流と二足の草鞋

2022年08月03日
 大谷翔平選手は、投打の二刀流でベーブルース以来104年ぶりに10勝10ホームランに王手をかけながら、弱小チームの中で孤軍奮闘している。二刀流というのは、宮本武蔵で有名な両手に1本ずつ刀を持つ剣術の流派のことで、現実に成功を実現している例は少ない▼話を現代に置き換え、両立するのは難しいとされる二つの職業を1人で兼ねる二足の草鞋。これを実現している人は少なくない。お笑いコンビ、ティモンディの高岸宏行さんは最近、野球の独立リーグ・BC栃木に入団した。彼は高校野球の名門愛媛県の済美高校で汗を流し、当時はプロ野球からも注目された実力者だ。小学生の頃からの夢だったプロ野球選手を回り道をして実現し、持ちネタの「やればできる」を自分自身で体現した▼一方、かつてお笑い番組の爆笑レッドカーペットなどにも出演していたお笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さんは、清掃員としてごみ収集会社で働いている。当時仕事が減り、日々の生活まで苦しくなっていた時期に妻の出産があり、お金が必要になったからだ。ところが現在、面白い清掃員の本を出し、さらに妻と一緒にマンガの単行本まで発刊して一躍人気者に。今では講演の依頼が殺到▼大谷選手は高校時代、目標達成シートで自分の課題に向き合い、努力した。高岸さんは諦めない強い情熱でけがを乗り越えプロ野球の選手になり、滝沢さんは生活のために始めたごみ清掃員の仕事を自分なりに楽しむためにユニークな工夫を始めた結果、逆転の成功を収めた。3人を比較するものではないが、プラスに転じた結果は共通だ▼人手不足に喘ぐ建設業界の打開策の一つとして、二刀流と二足の草鞋にも目を向けて採用活動に取り組む、あるいは社内で育成に取り組むのはどうだろうか。(リュウ)
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