大分建設新聞

四方山

今こそ不撓不屈の精神

2022年08月01日
 福岡管区気象台は6月28日、大分県を含む九州北部が梅雨明けしたとみられると発表した。 統計がある1951年以降で最も早く、6月は初めてだったという。しかし、その後、連日の曇りや雨の日が続き、蒸し蒸しする湿度の高い梅雨に戻ったような天気だった。梅雨明け宣言後の晴れ間は「梅雨の中休みだったのではないか」と思ったくらいだ▼宣言後、夏本番といいながらもセミの声がほとんど聞こえなかった。夏とはいえ、セミの鳴き声が聞こえない夏は、やはり物足りない。ところが一転、今はどうかと言えばうるさいほど鳴き声が聞こえる。うだる暑さに追い打ちをかけるように鳴いている。やはり「あの梅雨明け宣言は間違っていたのではないか」、そう語りかけているように思えた▼人間は、うだる暑さに気持ちが萎えてしまうが、雑草はその反対だ。草刈り機や鎌で刈っても刈っても生えてくる。2~3週間もすると、草刈り前の背丈の高さに伸びている。刈っては伸び刈っては伸びるのくり返しである。石油高騰の世の中で「混合ガソリン」を燃料とする草刈り機を武器に、熱中症に注意しながら蒸し暑い中で草を刈ることの意味は何なのか、と思いを馳せる。蒸し暑い天気を好む雑草は力強い▼群馬県伊勢崎市にある上武大学。その建学の精神は「雑草精神(あらくさだましい)」だそうだ。創立者は、雑草が広く台地に根を張り続けている様子に着目して、いつの時代にあっても、どのような環境に置かれても、幅広い職業人の育成を図ることを目的に志す、とする。「踏まれても、踏まれても不屈の精神をもって起き上がり、絶みなく前進する精神」が必要だと▼物価高騰や新型コロナに負けるな、暑さに負けるな、雑草に負けるな。いまや不撓不屈の精神が必要だ。(勇)
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