大分建設新聞

四方山

参議院

2022年07月21日
 「ガーシー氏」と聞いて、それが人名だと知ったのは最近のことだ。本名は東谷義和さんといい、NHK党から参院選比例区に出馬し初当選した。芸能界の暴露話をネットで発信し、若者を中心に人気だ。だが、当選証書の付与式に、その姿はなかった。生活の拠点はアラブ首長国連邦のドバイにあるらしい▼朝日新聞の報道によると、ガーシー氏は帰国に慎重らしい。詐欺事件の容疑が掛けられているようで、逮捕されないという当局の確約を求めている。8月の臨時国会も欠席の見通しという。これでまともな議員活動はできるのであろうか。選良とは衆院議員の美名だが、国民から選挙で選ばれるという意味では、参院議員も「選良」である。果たして「選ばれし良き人」なのか▼毎度の通り、参院選にはタレント、有名人らが立候補し、話題を提供した。自民党候補として当選した「おニャン子クラブ」の元メンバーもその一人。選挙期間中、キャスターの池上彰さんがテレビ番組で、その元メンバーが取材に応じない理由について「(陣営スタッフは)国会議員の資質、勉強が圧倒的に足りないとおっしゃっていた」と暴露した▼そんなお寒い実情を踏まえてか、参議院についてビートたけしさんは「売れなくなったタレントの天下り先」(『週刊ポスト』7月29日号)と手厳しい。笑えないのが悲しい。議員歳費、運営経費など、年間のコストは400億円に上るという。そもそも参議院は必要なのか▼「第二院が第一院と一致するときは無用であり、第一院に反対するならば、それは有害である」とは、フランス革命の指導者、シェイエスの言葉である。確かにその通りだ。衆議院が優越である中、参議院の役割は見えてこない。憲法改正が現実味を帯びる中、二院制の見直しも論点の一つであろう。(熊)
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