大分建設新聞

四方山

今こそ宇佐詣で

2022年07月20日
 地球温暖化による異常気象は災害をもたらし、線状降水帯という新しい言葉に怯える。もはや日本にかつての四季はない。コロナも終息が見えず、マスクを外せる日も来ない。給料は上がらないものだと諦めが続く時代に、ロシアのウクライナ侵攻で更に閉塞感は続く▼こんな時代に生きるとは何と運の悪いことだと思うが、日本人は幾多の苦難の時代を乗り越えてきた。天平の時代も似たような世の中だった。干ばつによる飢饉や疫病が続き、地震も多発していた。当時、厄災は天皇の責任と言われ、責任を感じた聖武天皇は5年間に3度も遷都した▼そこで仏教の力で国の平和と安定を図ろうと考え、大仏を造立することを決める。741年に国分寺建立の詔を出し、全国に国分寺・国分尼寺を設けさせた。寺院の建設だけでなく護国の経典を備えさせ、国の考えを地方に浸透させるネットワークの礎をつくった。743年には大仏造立の詔を出し、人々に参加することを呼び掛けた。752年、10年の歳月を要して大仏は完成した▼大仏の造立に対して豊前の宇佐神宮は「わが身を投げ打って大仏造立に協力する」と八幡神の託宣(お告げ)を示しており、完成時には宇佐神宮の神職の女性を伴い紫の輿に乗った八幡神が大仏を見るために東大寺に入ったという。改めて宇佐神宮の偉大さに触れ、閃いた▼豊予海峡ルートの講演を聞くと、今の日本には世界一の橋をかけるような国家プロジェクトが必要だという。それなら国東半島から姫島に橋をかけ、その先の山口県の祝島に橋を架け、その先の本州とつないでほしい。そして宇佐神宮までの参宮ハイウエイを建設し、日本にもう一度夢と希望を与えてほしい。無理だと鼻で笑わずに新たな技術で解決すれば、未来への財産になる。今こそ宇佐詣でだ。(リュウ)
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