大分建設新聞

四方山

国内自給を高めよう

2022年07月08日
 今年になって、生活に関わるあらゆる価格が高騰している。食料品はもちろん、建築資材のすべてが上昇傾向だ。この価格高騰はどこまで続くのか依然として先行き不透明である。スーパーで買い物して価格が変わらない商品は、中身が少なくなっていることに気付いた。新型コロナ対策、ウクライナ情勢、円安と国内消費者にとって不安な要因が続いている▼この経済状況から、日本の食料自給率が語られるようになった。国内自給率は1965(昭和40)年度では73%だったという。それから55年後の2020年度は37%というデータ結果が出ている。この変化は「腹いっぱい食べる」から「おいしいものを食べる」ようになった食事の変化、農業は「専業農家」から「兼業農家」へ、さらには「法人化」に変化、また、農村は「都市化」へと移行していることが考えられる▼20年度、コメの自給率は98%。日本の農家は「売れない、消費されないコメ」を懸命に作っている。コメの消費が減る中、コメを家庭で炊飯する割合が年々低下する一方で、外食の占める割合が増加傾向にあるという。それは単身世帯、共働き世帯の増加による社会構造の変化によるものだ▼お茶わん1杯分の精米されたコメは約65㌘。5㌔の精米(小売り平均1897円)は約77杯になるので1杯あたりのコメは約25円となるそうだ。多くの食料品が高騰し続ける中で、ご飯は何と経済的な食べ物だろうか。缶コーヒー1本(130円)の価格で、お茶わん5杯分が食べられる計算になる▼新型コロナ発生後「マスクが無い」「アルコールが無い」と騒ぎになった。これも技術と生産の拠点を海外に依存し過ぎたからだ。今、海外依存の限界が見えているような気がする▼10日は参院選の投票日。理想の社会をつくるのはあなたの1票だ!(勇)
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